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我が家の歴史5:三郎とマサ [山都の菊地家]

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我が家の歴史シリーズですが、今回はこちらの家系図「醫業相傳」で十代目にあたる三郎とその妻マサについて紹介します。

写真は菊地醫院を正面からみたところです。同時に見つかった写真の年代や昭和12年の写真の外観と一致することから、昭和10年代の写真と思われます。場所は、旧・福島縣耶麻郡山都村字廣野(現・福島県喜多方市山都町広野)にあり、現在はこの病院部分はありませんが、その後ろの土蔵造りの母屋は残っています。(但し、現在は菊地家の遠縁にあたる方が所有・管理されていますので、勝手に立ち入らないようお願いします。)

*我が家の直系の人物以外はご子孫など関係者の方もいらっしゃると思うのでなるべく敬称をつけてご紹介したいのですが、説明の都合上省略する場合もあります。その点ご了承ください。

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これは菊地三郎の写真です。最近(10日くらい前に)やっとみつけたものです。三郎の写真は他にやや不鮮明なものも含めて3枚ほどしかみつかっていません。

我が家に残る書き付けによると、菊地三郎(1864-1945年)は、各地を転々としながら勉強し、医師として勤務/開業しています。まず、16歳で河沼郡尾野村(当時)の山口千代作氏に漢籍を習いました。(明治21年/1888年)24歳で仙台市第二高等中学医学部に入学、(1891年)27歳で全科修了。翌年、学友の依頼により野沢村で開業しますが、2ヶ月後に山都にもどり開業。1894年には東京帝国大学で数ヶ月間眼科を学び、戻って坂下町(ばんげまち)で開業。1902年には小樽で開業、同年、幌内炭礦病院長などとして勤務。1907年には上京して産婦人科を学び、(大正元年/1912年)に家督相続。この頃に山都に戻ったようです。マサとは1892年に結婚し、三男五女をもうけています。

菊地醫院の写真で、手前の屋根を支える左側の柱に板が取り付けられていて、そこに「産婆」と書かれています。産婦人科を勉強しに行ったのを生かしてのことでしょうか。

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三郎の妻の菊地マサ(1871-1944)が孫の敬一三郎マサの長男耕一の長男)を抱いている写真です。昭和12年/1937年に鎌倉で撮影されました。当時66歳。マサは「正」と表記されている場合もあります。旧姓は丹藤(たんどう)です。河沼郡野沢村の出身で丹藤正五郎の長女で、戸籍には丹藤茂二の姉と書かれています。

三郎マサについて私が聞いているのは、「三郎はいつも静かに漢文を読んでいるような人だった」、「戊辰戦争のあと家が官軍の宿舎となり、当時幼かった三郎が「官軍さんからお餅をもらった」とのちに語っていた」、「マサは豪快な人で、卵などを売りに来たりすると「全部おいてけ」と言って(大量に購入し)、たらいで茶碗蒸しをたくさん作ってみんなにふるまった」というような話です。

最近、私の父のいとこで、三郎の三女の(せい)さんの五女の金元知子さんから三郎マサのエピソードを聞くことができました。

金元さんの書簡より(母、誠さんから聞いた話として)
マサは豪放で料理が上手だった。村の人が売りに来たしじみやたくさんの鮎や鯉等、全部買い取って調理して人にふるまった。漬物等も上手で大きな壷にいくつも漬けて倉に入れていた。
 
夜中に泥棒が倉の漬物をとりに入る音にマサが目を覚ますと、三郎は「いいからそのままにさせておくように」と貧しい人の盗みを見逃した。三郎は貧富の差なく、手厚く人々を介護し、充分な薬や包帯を使った。


マサは自身はあまり学歴はなかったようですが、とても教育熱心だったそうで、三男五女のうち、生後間もなく亡くなった長男以外全員を大学に進学させています。

金元さんの書簡にはそのことも書かれています。
そのようにして(注:食べ物をみんなにふるまったり、貧富の差なく医療を提供したりして)、子どもたちを最高学府まで入れるお金が続かなくなると、マサは門前に出て手をたたき、大声で「お金持って来い!」と叫んだ。村の人は皆飛んできてお金を差し出した。マサは懐から懐紙を出し、借用書を書いたという。

今の感覚ではビックリなエピソードですが、困った時には助け合うという地域の人たちとのつながりを感じます。

三郎とマサの子どもたちのことや、三郎の交友関係などについては次回以降にご紹介したいと思います。


*時間が経ってしまうと、先祖の足跡をたどることはなかなか容易ではありません。山都在住で地元の歴史に詳しいO氏に色々教えていただきながら、私も調べられることを調べています。でもまだまだわからないことだらけです。きっと他にも情報を探している方がいらっしゃるはずと思って、このシリーズと書いています。この記事に関連した情報をお持ちの方はご一報いただければありがたいです。個人情報に関わる内容についてはコメント欄ではなく以下へご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。

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タグ:山都町
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